約 1,206,906 件
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1297.html
たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(承の章) 少女の顔立ちに宿る、確かな面影。そして何より、見覚えのある、大きすぎて裾の余ったぶかぶかのお洋服。 その女の子は……確かにラブの親友で、仲間で、家族でもある、“東せつな”その人であった。 「せつな……だよね? どうしちゃったの? まさかっ!」 「黙れっ! 違うと言ったはずだ!」 少女は、苛立ったように睨みつけながら吐き捨てる。その様子も、まるで子供の癇癪のようで可愛いのだが、やっぱりラブにはそう感じる余裕はなかった。 「ううん、せつなだよ! 聞いて、あなたは――」 「こぼれてる」 少女は、床の一点を指差す。その先には、ラグカーペットの上に落ちて、中身の飛び散ったハーブーティーのカップがあった。 「えっ?」 「お茶を持ってきたのだろう? そんなザマで、メビウス様のお役に立てるものか!」 「あっ、ゴメン! せつなのカーペット、染みになっちゃう」 ラブは慌てて何か拭く物を探す。ハーブティーは色が薄く、目立つ染みになるとは思えない。それでも、せつながどれほど部屋の物を大切にしていたかを思うと、僅かでも汚したくはなかった。 背に腹は変えられない。少し迷ってから、持ってきていたお手ふきで拭くことにした。しゃがみこんで、ゴシゴシとカーペットをこする。 その背後に、少女が素早く回りこんだ。 「きゃっ! せつな!? 何をするの?」 「動くな! 抵抗すれば、このまま首の骨を折る!」 少女の細い腕が、ラブの首に食い込んでいた。ゴホッ、ゴホッ、とラブが咽たので、少しだけ力が緩められる。 「離して! せつな、どうしちゃったの?」 「どうしただと? それはこちらのセリフだ! ここはどこだ? いつ、どうやってわたしをさらってきた?」 ラブは少女の腕を掴み、力いっぱい引き剥がそうとする。しかし、両手を使っているにも関わらず、片手で拘束している少女の腕はビクともしなかった。 腕の太さだって、ラブの半分ほどしかないのに。 「せつなは……さらってきたんじゃない。ここがあなたの家なの」 「その名で呼ぶのはやめろ、わたしの名前はイースだ。これ以上たばかる気なら、本当に――」 「やれば、いいよ」 「なにっ!?」 ラブは抵抗を止めて、身体の力を抜く。反動で少女の腕はラブの首に深く食い込み、ラブは更に咽る。 そのまま激しく咳き込みそうになるのを、グッと堪えた。 「お前は、命が惜しくないのか?」 「せつなはあたしを――ううん、誰だろうと、人を傷つけることなんてできないよ」 「メビウス様のためなら、できる!」 「もう、メビウスはいないよっ!」 「貴様っ!」 少女の声に怒気が篭る。ラブはこの先に与えられる苦痛を覚悟して、目を閉じて歯を食いしばる。 しかし、少女の腕に再び力が込められることはなかった。 「せつな?」 「全部――話せ。嘘かどうかは、わたしが判断する」 ラブは少女に拘束されたまま、これまでの出来事をかいつまんで話していく。 その格好は、ちょうどお姉さんが妹をおんぶしているような体勢であり、見る人が居ればきっと微笑ましく映ったことだろう。 もっとも、本人たちはいたって真剣であった。 「馬鹿な……。メビウス様がコンピューターだっただと? しかも、裏切ったわたしが倒したというのか? そんなこと、信じられるものか!」 「ラビリンスの人たちを裏切っていたのは、メビウスの方だよ! せつなはラビリンスを救って、みんなを開放したの」 「――嘘だっ! 全部でたらめだっ!」 「ゴメン――酷いこと言ってるのはわかってる。今のせつなは子供なのに……。でも、こんな大切なことで嘘なんて付けないよ!」 それから先、しばらくの間、二人とも一言も口をきかなかった。部屋の中を、重苦しい沈黙が支配する。 やがて少女の腕が緩み、ラブの拘束が解かれる。 「せつな……」 「もういい、眠れ」 トンッと、少女の手刀が、振り向いたラブの正面の首筋に命中する。 軽く、当たっただけだった。痛みも、衝撃すらも感じないまま、ラブは崩れ落ちるようにその場に突っ伏した。 『たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(承の章)』 紺色のジャケットが、まるでコートのように腰にまで届く。太ももが露出するはずのプリーツスカートは、セミロングのように膝小僧までを覆い隠す。 ベルトと靴の紐をキツく絞る。ダブダブの赤いシャツは、裾を幾重にも折り畳み、余った丈は腰の辺りでクルッと結んだ。 それでやっと自由に動けるようになった少女は、クローバータウンストリートの商店街を練り歩く。 「目障りで、耳障りだ……。どうして、こんなに騒々しい」 街はクリスマスに浮かれ、大勢の人通りで賑わっていた。商店街では至る所からクリスマスソングが流れ、客引きの大声が飛び交う。 街路樹には、華やかなイルミネーションが輝き、店先は色鮮やかな装飾で飾り付けられていた。 それ以上に少女を戸惑わせたのは、周囲の人々の表情だった。 人数としては、大したことはない。この何倍、何十倍、何百倍もの人間を見たことがある。 だけど、ラビリンスの人々はみんな無表情で、それが当たり前だと思っていた。ある程度なりとも感情を表すことが許されているのは、幹部級の人間だけだったからだ。 街もそう。もっと大きな建物ならいくらでもあった。だけど、これほど無秩序で、色彩に富んで、華やかな建築物など見たことがなかった。 音も同じ。メビウス様のお話なら、もっと音量は大きかった。だけど、このような意味の無い音のつながりは何だ? 呪文のように繰り返される声にどんな意味がある? 「苛立たしい……」 少女は徐々に怒りを溜めていく。しかし、試してみたが、どういうわけかスイッチ・オーバーを使うことはできなかった。 いや、先ほどの女の説明を聞く限り、理由は明白だったのだが、それは認めるわけにはいかなかった。 この身体のままでは、そこいらの脆弱な人間よりはマシだとしても、この人数を相手に暴れて勝ち目はない。 仕方なく耳を塞いで、視線を下に落としながら、少女はあてもなく歩き続ける。やがて、今度は嗅覚が反応した。嗅いだことのない不思議な匂い。それは、確かに食べ物の匂いだった。 食料の置いてある建物なら、いくつか通り過ぎてきた。だけど、そこから薫る微かな匂いは、これまで一度も体験したことのないものだった。 ちょうどお腹が空いていたこともあって、少女はフラフラと匂いのする方向に引き寄せられていく。すると古ぼけた小屋の奥から、しわがれた老婆が出てきて声をかけた。 「おや、いらっしゃい」 「ここは何だ?」 「何だとはなんだい。口の利き方の知らない子供だね。だけど、見たことがある気がするね。どこから来たんだい?」 「聞いているのはこちらだ。これは何だ?」 「ふん、それはチョコレートってんだよ。あんた食べたことないのかい?」 「知らない」 「なら食べてみな、幸せになれる味さね。お金がないのなら」 老婆が最後まで話すのも聞かず、少女はその板状のお菓子を掴んで、背を向けて走り去った。 「お待ち! 飛び出しちゃ危ないよ! そんなことしなくても」 老婆がモタモタと追いかける。しかし、少女の足には到底追いつくはずもない――いや、追いつかないはずだった。 逃走しようとする少女の前に、いかつい制服姿の男が立ちはだかる。じわじわと距離を縮め、少女を取り押さえようとしていた。 「そこの女の子、止りなさい。何を持っているんだね? それにその格好は?」 「どけ! 邪魔をするな!」 「……大人しくしなさい。ちょっと署まで来てもらうよ」 「忠告――したぞ!」 少女は自分を捕らえようとする腕をかいくぐり、相手の懐に飛び込む。そのまま勢いを殺さず、軸足の重心を切り替えて男の足を蹴り飛ばした。 足を払われた形になった男は、尻餅を付いて地面に倒れこむ。そこに、追撃――少女の拳が相手の胸を打つべく迫っていた。 「とどめだ!」 「ひぃ!」 パァァ――ン とても、子供が放ったとは思えない強力な一撃は、横から割り込んできた人物によって受け止められる。 少女の攻撃を阻んだのは、真っ赤な服を着た男だった。 先の尖ったキャップを被り、そこから長い白髪が伸びている。口元には白いヒゲがたくわえられていた。 その男は、正面から受け止めたのではなかった。片手を真っ直ぐ差し出して、掌で受けたのだ。 それでいながら――これほどの音を立てる威力の拳を受け止めていながら、その腕はまるで微動だにしていなかった。 「サンタクロース? 売り子の方ですか? ご協力感謝します」 「…………」 赤い服の男は答えない。それを不気味に思い、少女は一歩後ずさった。 別に、制服の男は恐れるに足らない。だが、横から割り込んできた、このサンタクロースと呼ばれる男は危険だった。 直線の最短距離を走る突きを、「線の動き」で払うのではなく、「点の動き」で受け止めたのだ。それは、少女を遥かに超えた戦闘能力の持ち主であることを示していた。 「さあ、君、大人しく来るんだ」 「くっ……」 「お待ち!」 少女が、声のした方向を振り返る。そこには先ほどの老婆が立っていた。手に、たくさんお菓子が詰まった袋を持って。 「離しておやり。その子は知り合いの子でね、何か粗相があったならあたしが謝るよ」 「はっ! いえ、子供のしたことですし、身元を保証していただけるのであれば……」 「これを持ってお行き。あんまり親に心配かけるんじゃないよ?」 老婆は、制服の男――警察官には答えず、少女に手にした袋を渡す。少女は周囲を警戒しつつ、それをふんだくるように受け取った。 お礼も言わないまま、少女は背を向けて走り出す。サンタクロースは、いつの間にか姿を消していた。 警察官は一瞬どうしようか迷ったようだったが、人ごみを掻き分けて走り去った少女を今から追ったところで、到底捕らえられるとは思えなかった。 人ごみに疲れた少女は、休憩できる場所を探して広場に来ていた。木陰に座り、奪ってきた――ことにした、お菓子を口に運ぶ。 「甘い……。こっちは、しょっぱい。そして――美味しい……」 空腹だったせいだろうか? 知らない場所で、緊張していたせいだろうか? いや、きっと美味しすぎるせいなのだろう。 少女はお菓子をパクパクと口に運び、あっという間に食べ尽くしてしまった。 目の前では、数人の少年が歓声をあげながら、まだら模様のボールを蹴っていた。 歳は、少女と大して変わらないだろう。楽しげに球を奪い合う彼らには、まるで真剣さがなく、それが訓練の類ではないことが容易に想像できた。 「くだらない……。愚かで、ばかばかしく、意味のない行為だ」 まるで自分に言い聞かせるように、少女は小さく口にする。何度も、何度も、口にする。 でも、なぜか目はボールの動きを追っていて―― ポン、ポン、ポン、 少女の目の前に、まだら模様のボールが転がってくる。反射的に手を伸ばそうとして、すぐに引っ込めた。 自分に命中したわけではない。報復する必要はない。 かと言って、わざわざ取って渡してやる義理もない。 (すぐに取りに来る。だけど、ちょっと触るくらいなら……) 結局、手に取ることにした。ボールは思ったよりも重くて、固くて、しっかりとしていた。 これなら、自分が本気で蹴っても壊れないかもしれない。 ふと、そんな思いが胸を掠めて、少女は愕然とする。 (うらやましいというのか? あんな、くだらない遊びが……) 「ねえ、君っ! ボール取ってくれてありがとう!」 ボールを手にして考え込んでいる間に、少年の一人が取りに来ていた。 おめでたいと思う。自分は返すなどとは、一言も口にしてないというのに……。 「ありがとう!」 結局、少女は黙ってボールを差し出した。自分を信頼しきった瞳が曇るのを、なんだか見たくなかったからだ。 しかし、少年はすぐに立ち去ろうとはせずに、じっと少女の様子をうかがった。 「ねえ!」 「なんだ! まだ何か用があるのか?」 「よかったら、一緒にサッカーやらない?」 「わたしが――一緒に?」 「うん。さっきから、ずっとこっち見てたでしょ? 僕たちもちょうど一人足りなかったし」 「ルールを、知らない……」 それは、少女の精一杯の抵抗だった。さっきから、何十分も観ているのだ。 それだけで、この聡明な少女は、それがどのような遊びか。何が許されて、何が許されないのか。どうすれば勝ちなのか。ほぼ完全に把握していたのだった。 「女の子だもん、しょうがないよ。おいおい教えるからさ、まずはやってみようよ。僕の名前はタケシっていうんだ。君は?」 「イース……」 「イースって……あの? まさかね、歳が全然違うもん。外国の人みたいな名前だね。じゃ行こう、イース!」 「うん……」 二人は、他の四名と合流する。「女で大丈夫かよ?」「スカートはまずいんじゃないか?」などと口にする者もいたが、なぜか少女は腹が立たなかった。そのどれもが、少女を心配しての発言だったからだろうか? 少女は、「ハンデにちょうどいい」と言って、挑発的なセリフで彼らを煽った。もっともそれは、謙虚なまでに控え目に伝えた事実でもあった。 三対三のゲームが始まる。フットサルではなくミニサッカーと呼ばれるもので、十一人形式と同じルールで行われるらしい。もっとも、これしか知らない少女にはどうでもいいことだった。 四角い形に、マーカーで線を引いただけの簡単なフィールドが作られる。十メートル四方のそれは、グリッドというらしかった。 少女は、まずはディフェンスから。相手チームの二人は、三角を描くようなパス回しで攻めて来る。 ドリブルもパス回しも十分にスピードがあり、頻繁に遊んでいることが見てとれた。少女とて、見学も無しで参加すれば、その動きに付いていけなかったかもしれない。 しかし、少女は既に、各人の動きのクセや、パターンや、利き足までも把握していた。シュートの手前のパスを、あっさりとインターセプトする。 「ウソだろっ!?」 「いつの間に回りこんで来てたんだ!」 急停止と急加速。少女は、格闘術の応用で重心を自在に操り、右に左に、変幻自在なドリブルでゴールに迫る。 そして、シュート! そこで、少女に心理的ブレーキがかかる。 (本気で蹴ったら、ボールが壊れてしまうかもしれない。それに、この者たちに怪我をさせるかもしれない) その迷いの一瞬の隙を突かれて、ボールを奪われてしまう。 仲間のガッカリした声と、敵側の安堵の声。少女はすぐに我に返り、再びボールを取り戻しに走る。 (今――わたしは何を考えていた? 仲間? ばかばかしい……。だけど――) ゲームは完全に少女が支配していた。ラビリンスの、命がけの訓練で鍛え上げた運動能力と、幹部候補として培った空間把握能力。 誰も真似のできない動きでボールをキープしつつ、まるで上空に目があるかのように、敵味方の位置と動きを把握する。 「せめて一点くらいは返そうぜ! 食らえ!」 「そうは、させないっ!」 いつの間にかディフェンスに回り込んでいた少女が、相手のシュートを胸で受け止める。 ボールは少女の身体に触れた瞬間に威力を失い、ストンとその足元に落ちた。 「ウソだろ? あれって、クッションコントロール?」 「シュートを真下に落とすって、すげえ高等技術じゃないか……」 「上がれっ!」 少女の指示によるカウンターアタック。それは、上に立つ者としての適性の表れだろうか。 いつの間にか、攻撃の組み立て、即ちビルドアップすらも自分の物にしていた。 少女のキラーパスが、ディフェンスの股の間を抜いて味方に届く。絶妙なパスで、キレイにゴールが決まった。 「またやられた! ダメだ、これじゃあ、勝負にならねえよ!」 「なら、メンバー組みなおそうぜ。今度は、こっちがイースをもらうからな!」 いつの間にか、少女の奪い合いになっていた。少女は今度は、敵だった者と仲間になって、一緒に走り、一緒になって戦った。 五人全員が、なんだか大切な存在に感じられて―― 「イース! そのまま打て!」 パスするつもりだった味方が叫ぶ。これまで、少女は一度もシュートを打たなかった。そこで相手は、組しやすい他のメンバーを徹底的にマークすることで、少女の居るチームの得点を防いでいたのだ。 少女もまた、自分で打ってみたい欲求に耐え切れなくなっていた。もともとが勝気な性格でもあった。 (キーパーの居ない方向に打てば……) 少女は力いっぱいに蹴り足を振りぬく。サッカーボールは激しい勢いで飛んで行き―― これまでは、主にパスしか打っていなかった。五分以下の力だからこそ、完全なコントロールができていた。 しかし、いかな少女とて、今日始めたばかりの球技で、まして生まれて初めて打つシュートで、全力の球を狙い通りコースに決めることなどできるはずもなくて―― 「うわっ! …………」 そのボールは狙いを外れ、キーパーのタケシの正面に打ち込まれる。突き出した彼の両手のガードを貫き、顔面をも弾いてゴールに吸い込まれていった。 「おいっ! 大丈夫かよ?」 「すっげえ鼻血出てる。誰かティッシュ持ってない?」 「指が痛いってよ、突き指したんじゃないか?」 「まずいよ、病院連れてった方がいいと思う。俺、大人の人呼んでくる!」 全員が、負傷した少年を取り囲む。少女はその中には入って行けず、青ざめた顔のまましばらく立ちすくんで―― やがて、逃走するように背を向けて走り去った。 たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(転の章)へ
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/940.html
ねぎぼうの140文字SS【7】 1.ラブせつで『君の傍』/ねぎぼう サウラー君の傍受したというリンクルンの通信データというのはこれね。 “せつな!今補習が終わったよ” “もう家に帰っているわよ” “ほんと?ごめん……” (ノイズ) インフィニティの話はさすがにしていないようね。 でも、サウラー君いい仕事してくれたわね。 特定できたわ。あの子たちの住家も…… 2.ラブせつで【 無理しちゃって 】/ねぎぼう 大会以来久しぶりにせつなとラブに出会った美希。 「せつなにはね、四つ葉町の楽しい思い出をたっくさん持って行って欲しいんだ」 ラブの明るすぎる笑顔。 「この街をよく見ておきたいって言ったら付き合ってくれたの。悪いことしたわ」 名残惜しさと二人でいる喜びを申し訳なさで隠す。 (無理しちゃって) 3.ラブせつで『人生で一番』/ねぎぼう 突然出逢って、探していた夢が見つかった。 再び出会えて、一番美味しいドーナツと幸せの素を知った。 本気で心配してくれた。許してくれた。やるべき事を知った。 そして、苦しんでいるのが……貴女だった。 何も出来ない?いや、そんなことない! 全てをかけるよ。 人生で一番好きになった貴女だから。 4.ラブせつで『誰にも渡さない』/ねぎぼう “誰にも渡さない……” 「ピーチはん、昨日はえろううなされとったで?大丈夫なんか?」 「……大丈夫!元気一杯だよ」 「やっぱり、パッションはんのこと……」 「わかってる。せつなの夢だもん。応援するのが家族でしょ?勿論タルトの夢も、だよ!」 (ピーチはん、家族やったらそうなんやろかなあ) 5.ラブせつで『未送信メール』/ねぎぼう 『ラブ、補習お疲れ様(^-^)』 せつなからメールが入っていた。 返信を打ち込んでいると、 「ラブ!」 「せつな!待っててくれたんだ」 ―― (そろそろスマホかなあ) 未送信メールがあることに気付く。 『ありがとう(^O^)すぐ帰るね!せつなだいすき』 あの日の思いもメールボックスに残ったまま。 *6はこの続きです。 6.ラブせつで【 もう会えないひと 】/ねぎぼう この未送信1件が気にかかったまま何日かが過ぎた。 そんなある日、けりをつけるように最後の送信ボタンを押した。 ―― 「ただいまー!あいぽん5にタダで機種変できたんだ」 「ラブ!すぐ帰るって言っていたわね?」 「あ!ごめん、そのまま送っちゃってた」 (今は、もう会えないひとじゃないんだ) 7.ラブせつで『ちょっと黙って』/ねぎぼう 「冷蔵庫の限定秋栗ドーナツ、まさか?」 「私、食べていないわよ。名前書いてたんでしょう?」 「前に読めなかったって言って食べちゃったじゃん」 「読める字書かないと」 「んも~」 「ピーチはんもパッションはんもそないに……」 「タルトはちょっと黙ってて!って、その口元に付いてるのは何?」 8.ラブせつで『迷子のお知らせ』/ねぎぼう “迷子のお知らせです” 「ママー!」 「ありがとうございます」 「よかったね」 ―― 「あたしも小さいころ迷子になっちゃってね。優しいおねえさんが一緒に探してくれたんだ。恩返し、かな?」 「あの子のお母さん、そのおねえさんじゃないのよね?」 「うん、でも、応えられるような気がするんだ」 9.キュアミューズ(黒)×キュアエース/ねぎぼう キュアミューズ(黒)とキュアエースがフュージョンしたら? ―― 「もう少しで5分よ」 「ミュースショット!ばきゅ~ん!1、2、3、フィナーレ!」 ”ラーブグーグー” ネガジコチューは浄化された。 キュアミュースはロックを外す。 カチャ、プシュー! 「ぷはぁ~」 マスクの下から汗だくのア久里の笑顔。 10.ラブせつで【 それ、半分ちょうだい 】/ねぎぼう ラブが最後の1個というカボチャのケーキを私にくれた。 じっと見ているから 「それ、半分ちょうだい」 とでも言うのかと思って割ろうとしたら、 「ダメ!そのケーキはね、二人で半分こして一緒に食べたら幸せになれるんだよ。 だから、これは持って帰って……待ってる人とね」 優しい顔で、言われたの。 ※カボチャのケーキはぴかりが丘のアレです。
https://w.atwiki.jp/llnj_ss/pages/1817.html
元スレURL ラブライブ ホラーSS 「メリーさん」 概要 メリーさんvs各校スクドル短編集 タグ ^虹ヶ咲 ^μ’s ^[[Aqours]] ^[[Liella!]] ^コメディ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/847.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【6】 1.ラブせつで『一行の空白』/ねぎぼう 古びたピンクの携帯電話が着信を告げる。 “スマホは難しそうだから”と周りにはとぼけてはいるが、本当の理由は今着たメールのため。 決定ボタンを押すのももどかしくメールを開く。 笑顔の増えていく日常にうなずいていく中での重大報告。 返信に万感の『おめでとう!』直後の一行の空白にのせた……涙。 2.ラブせつで『君とならできる』/ねぎぼう 「東君とならできる、そう思うんだ。考えておいて欲しい」 プリンスとも呼ばれているテニス部のエースから、突然の混合ダブルスパートナーへの誘い。 「せつな、すごいよ!プリンスからの直々のスカウトだよ!?」 ラブにとってもこの「大抜擢」が純粋に喜ばしいようだった。 (ラブ、本当にいいの?) 3.ラブせつで『もう一度、恋をしよう』/ねぎぼう 初めて貴女を見た時、胸騒ぎを感じたの。 敵になるから? 再び出会って抱きしめられた時に感じた鼓動。 何かがおかしくなっていたのだと思ってたけど、あれが……恋? 今、貴女の側には私。でもこれってあまりに虫がよすぎるわね。 もう一度、恋をしよう。そして、最初からちゃんと貴女と向き合いたい。 4.ラブせつで『もう一度、恋をしよう』/一六◆6/pMjwqUTk 映画のタイトルは『もう一度、恋をしよう』。 見終わってラブが一言。 「あたしももう一度、恋したいな」 瞬時に胸の中が凍り付き、声が出ない。 俯く頭の上でラブの声がする。 「だからさぁ。今日これから、デートしよ?」 「……え?」 そっと目を上げると、私に負けず劣らず真っ赤な顔が、ニコリと笑った。 5.ラブせつで『この、リア充が』/ねぎぼう 「ねえ、その後どうなの?おねえさんだけに話してみなさい。この、リア充が!?」 久々に会った美希たんからの追求をはぐらかす。 ゴメン、あたしには大切な約束があるんだ。 *** 「あたし、パラ……レルワールドでイチバンのダンサーになる!ラビリンスにも行っちゃうから!」 「ええ、待ってるわ」 6.ラブせつで『どうでもいいよ、そんなこと』/ねぎぼう 「ごめんなさい。私の勝手で……」 「どうでもいいよ、そんなこと」 「えっ?」 「せつなが今こうして生きている。それだけで嬉しいんだ」 「ラブ……」 常に落命をも厭わぬ日々。 プリキュアになってもそれは変わらなかった。 そんなせつなが生きていたいと願った。 目の前の瞳をもう曇らせたくないから。 7.ラブせつで『唯一の、嫌い。』/ねぎぼう ニンジンわざと代わりに食べてくれない時はちょっと嫌いになるかも? でも本当はあたしのことを思ってしてくれているんだってことはわかってるんだ。 ただ、今でも「自分の命に代えても」と思ってたのはショックだった。 もうあんなことは嫌。 せつなが先に逝ってしまうこと……それが、唯一の、嫌い。 8.ラブせつ「二人だけのハイタッチ」/ねぎぼう ♪未来へハイタッチ!とともに本来とは逆向きのステップを踏んだ美希と祈里。 突然のアドリブを受けたせつなとラブも逆のステップを踏むと、正対した美希達がウインク。 その意図を感じた二人は内側に振り向くと、たった一度きりの“二人のハイタッチ”。 離れても求める手と離れようとしてためらう手。 9.ラブせつで『身勝手な論理』/ねぎぼう 「解ってるわ……」 泣き出しそうになるせつなを背中から包み込むラブ。 「あたしの名前、世界に通じるようにおじいちゃんがつけてくれたんだ。 世界ってラビリンスも入っているんだよ。だからあたしも絶対行くの」 「何その身勝手な論理」 「一番通じて欲しい子が目の前にいるから」 「ラブったら……」 10.『看板後』/ねぎぼう 「おかえりラブ。このお方は?」 「小料理屋『よつば』のおかみさんなんだ」 「本当にいいのですか?」 「もちろん!みんなでゆうごはーん、だよ」 「……おじゃまします」 「いらっしゃいませ。せつなです」 「(小声で)あの時の友達なんだ」 「えーっ!つみれ煮込んで干物煮込まずの!?」 (どして?) ※「プリキュアラジオ・演劇部第2話『ひとみ、女将になる』」吉田仁美さんと沖佳苗さんが演じた「大人になったラブと小料理屋の新米おかみ」のやり取りのアフターです。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1061.html
ねぎぼうの140文字SS【29】 1.ラブせつで【 ウインクの行方 】/ねぎぼう 普段はちょっと厳しいところのある美希がウインクするのは、 ちょっとユルさを認めるとき。 ブッキーは茶目っ気を込めてウインクをする。 それならラブのは? 好意の印、にあたるらしい。 それなら、ウインクの行方に私がいて……いいのかしら? この世界で知った「ドキドキ」という感覚がまた、来た。 2.ラブせつで「轟音」/ねぎぼう 夕暮れの道をせつなと歩く。 あとどれくらいこうしていられるだろう。 陸橋の影が二人を覆う。 「本当はね、あたし、せつながずうっと……」 電車は通り過ぎていった。 「ラブ、何か言った?」 「言わない」 「何よ、変なラブ!」 やっぱり聴こえなかったんだ……よかった。 でも、聴こえていて欲しかった。 3.マナりつで【後悔なんてしない / 秘密だよ】/ねぎぼう あたし、変身する。 今までだってさんざん巻き込んできたんだから、後悔なんてしない。 六花のこと信じまくってるから。 ―― あんたって本当ありえない。 でも、あんたの心は私が守るから。 ―― 「学校の皆には秘密だよ」 「解ってる(皆に問い質されても髪の毛触っちゃダメよ)」 「(モチのロン!)」 4.ラブせつで『自分だけ知ってればいい』/ねぎぼう 「さぞかし華やかで楽しい人生を歩んできたことでしょうね!」 悪事を強いられ、泣き叫ぶような痛みも背負ってきたこと。 一度は命を落としたこと。 そして今でも時々うなされて……今は自分だけ知ってればいいこと。 それでも抑えられなかった。 「嫌い!あんなひどいこと言う、今の大輔は嫌いだよ!」 5.ラブせつで『唯一の』/ねぎぼう 言葉が届かなくても、せつなと全力でぶつかりあう。 それが今のあたしに出来る唯一のこと。 もう逃げたりしないよ、現実からも。 もし貴女が敵なら、敵じゃなくせばいい。 本当は戦うより抱き合いたいから。 そのためにも、せつなの痛みともあたしの痛みともちゃんと向き合う。 自分の心を鬼にして、ね。 6.六花×マナで【息をはずませて / 唇を重ねたまま】/ねぎぼう 到着ロビーでの六花の姿を認めるや否や、 マナは息をはずませてその心配顔の元に駆けていく。 「ハイ、桃まん。流石にパパのじゃないよ」 「いきなり世界を旅してくるって、マナったら何年……」 「六花、ただいま」 「あんたってホントありえない、んっ……」 (愛してるから) その言葉は唇を重ねたままで。 7.ラブせつで『とっちゃ、やだ。』/ねぎぼう 「最後の一個はアタシが」 美希が悪戯っぽく言う。 「あ~とっちゃ、やだ。その一個はね……」 「わかっているって、ラブちゃん」 「も~」 ラブはドーナツを大事そうに抱える。 「せつなによろしく伝えてね」 「ありがとう、今回は1時間しか帰れなくってごめんって」 「今夜は家族水入らずの夕ご飯、なのね」 ※せつなはラビリンス再建の仕事をしていますが、 ごくたまに休みを取って四つ葉町に帰ることもある、ということで。 8.ラブせつで【 それ、半分ちょうだい 】/ねぎぼう 『それ、半分ちょうだい』とでも言いたいの? そうジロジロ見られて、リンクルンを狙っていることも見透かされては元も子もない。 ドーナツなるものを二つに割って半分やることにした。 それにしても何て煩い子なの? こんなもので……え? 「美味しいわ」 私は何を言っている? そう、これはお世辞よ! 9.ラブせつで【 頭をなでて 】/ねぎぼう 風邪、らしい。 気がつけばベッドの上。 今は傍にラブが居てくれてる。 濡れたタオルを替えるときに頭をなでてくれた。 「小さい頃、お母さんがこうしてくれたんだ」 「そうなの?」 「お母さんがなでてると、せつな、すごく楽そうになってたよ。だから、あたしもね」 (ありがとう、ラブ、お母さん!) 10.ラブせつで【うしろから見ないで / 可愛い声が聴きたい】/ねぎぼう 「何読んでるの?」 「きゃっ!」 ニッとするラブ。 「もう、うしろから見ないで!」 ドキッとして慌てて本を閉じる。 「びっくりしたせつなの可愛い声が聴きたいから。元々可愛いんだけど」 「何言っ……」 私の言葉をラブの唇が塞ぐ。 構って欲しかっただけ? よかった。 「AB型を知る本」は隠しておく。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/1060.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【25】 1.ラブせつで【 ウインクの行方 】/ねぎぼう 普段はちょっと厳しいところのある美希がウインクするのは、 ちょっとユルさを認めるとき。 ブッキーは茶目っ気を込めてウインクをする。 それならラブのは? 好意の印、にあたるらしい。 それなら、ウインクの行方に私がいて……いいのかしら? この世界で知った「ドキドキ」という感覚がまた、来た。 2.ラブせつで「轟音」/ねぎぼう 夕暮れの道をせつなと歩く。 あとどれくらいこうしていられるだろう。 陸橋の影が二人を覆う。 「本当はね、あたし、せつながずうっと……」 電車は通り過ぎていった。 3.[競作2015]【フレッシュプリキュア・美希】大切な…いなくなった友達/mizuiram 「ラブったら大丈夫かしら」 ため息をついたら頭を撫でられた。 「僕は姉さんが心配だよ」 え? 「ほんとは自分も寂しい癖に」 握り締めていた拳が優しく包まれる。 「たまには完璧じゃなくていいんだよ?今日は僕が元気づける番だ」 「和希…」 背中の温もりを思い出す。 それから、あたしは声をあげて泣いた。 4.ラブせつで『自分だけ知ってればいい』/ねぎぼう 「さぞかし華やかで楽しい人生を歩んできたことでしょうね!」 悪事を強いられ、泣き叫ぶような痛みも背負ってきたこと。 一度は命を落としたこと。 そして今でも時々うなされて……今は自分だけ知ってればいいこと。 それでも抑えられなかった。 「嫌い!あんなひどいこと言う、今の大輔は嫌いだよ!」 5.ラブせつで『唯一の』/ねぎぼう 言葉が届かなくても、せつなと全力でぶつかりあう。 それが今のあたしに出来る唯一のこと。 もう逃げたりしないよ、現実からも。 もし貴女が敵なら、敵じゃなくせばいい。 本当は戦うより抱き合いたいから。 そのためにも、せつなの痛みともあたしの痛みともちゃんと向き合う。 自分の心を鬼にして、ね。 6.【何もかも無くなればいいのに】/夏希◆JIBDaXNP.g 「スイッチオーバー」 聞き捨てならないキーワード。 声の主は男の子。 ラビリンスの幹部になって学校を壊してやりたかったと、胸の内を明かす。 仕事が忙しくて、健在なのに会えない両親。 孤独な子には授業参観は苦痛で……。 せつなの囁く魔法の言葉で、その子の顔に笑みが戻る。 今度は自分の番だから―― 7.ラブせつで『とっちゃ、やだ。』/ねぎぼう 「最後の一個はアタシが」 美希が悪戯っぽく言う。 「あ~とっちゃ、やだ。その一個はね……」 「わかっているって、ラブちゃん」 「も~」 ラブはドーナツを大事そうに抱える。 「せつなによろしく伝えてね」 「ありがとう、今回は1時間しか帰れなくってごめんって」 「今夜は家族水入らずの夕ご飯、なのね」 ※せつなはラビリンス再建の仕事をしていますが、 ごくたまに休みを取って四つ葉町に帰ることもある、ということで。 8.ラブせつで【 それ、半分ちょうだい 】/ねぎぼう 『それ、半分ちょうだい』とでも言いたいの? そうジロジロ見られて、リンクルンを狙っていることも見透かされては元も子もない。 ドーナツなるものを二つに割って半分やることにした。 それにしても何て煩い子なの? こんなもので……え? 「美味しいわ」 私は何を言っている? そう、これはお世辞よ! 9.ラブせつで【 頭をなでて 】/ねぎぼう 風邪、らしい。 気がつけばベッドの上。 今は傍にラブが居てくれてる。 濡れたタオルを替えるときに頭をなでてくれた。 「小さい頃、お母さんがこうしてくれたんだ」 「そうなの?」 「お母さんがなでてると、せつな、すごく楽そうになってたよ。だから、あたしもね」 (ありがとう、ラブ、お母さん!) 10.ラブせつで【うしろから見ないで / 可愛い声が聴きたい】/ねぎぼう 「何読んでるの?」 「きゃっ!」 ニッとするラブ。 「もう、うしろから見ないで!」 ドキッとして慌てて本を閉じる。 「びっくりしたせつなの可愛い声が聴きたいから。元々可愛いんだけど」 「何言っ……」 私の言葉をラブの唇が塞ぐ。 構って欲しかっただけ? よかった。 「AB型を知る本」は隠しておく。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/986.html
東せつな・カレンダーツイート2015 2月 【2月1日(日)】今日はブッキーと動物園に行ったの。「この季節に?」って思ったけど、冬に元気になる動物もいるのね。ブッキーって博識だし、準備がよくて気も利くし、なんだか私がお世話されてるみたい。あとブッキーの作るサンドイッチは美味しいわ。「料理上手ね」って誉めたら全力で否定されたけど、なぜかしら? 【2月2日(月)】どうにかラブの熱が引いて、学校にも行けたの。よく風邪はひくんだけど、治るのも早いんですって。まったく、弱いんだか、丈夫なんだか。でも、こじらせなくてよかった。今日は『夫婦の日』ね。ラブはもちろんだけど、お母さんにもゆっくりしてもらおうかしら。夕ご飯は、私が腕によりをかけて作るわ! 【2月3日(火)】今日は節分の日! 今年の恵方は西南西ですって。確かにヤツなら二人分は食べそうね……。なんでもない、こっちの話よ。そうそう、節分って「季(節)を分ける」って意味なのね。それなのに、どうして年に一度しかないのかしら? 翌年の季節と分けるなら年分になるはずよね? ともあれ、春の訪れね! 【2月4日(水)】今日は『立春』。春が始まった日って意味らしいの。そういえば陽射しが柔らかくなったし、風が草木の匂いを運んでくる。梅の花も咲き始めたわ。命が一斉に目を覚まして立ち上がる日なのね。ところがラブときたら、授業中に寝てばかり。春眠暁を覚えずっていうけど、ラブの場合は立春じゃなくて横春ね。 【2月5日(木)】みんなの好きな食べ物は何かしら。ところで料理って、食べる好きじゃなくて、作る好きもあるのね。今夜はラブの特製ハンバーグ。どの辺りが特製なのか聞いたら、肉汁と一緒に愛情をたっぷり閉じ込めてあるんですって。ラブって時々、何を言ってるのかわからないことがあるけど、その味は――本物よっ! 【2月6日(金)】食べ物の“好き嫌い”はいけないって言うけど、好きな物があるのはいいことよね? 嫌いってほどじゃないけど、ラブは人参、お母さんはホウレン草が苦手なの。どちらも美味しいのに。そうね、私もピーマンが苦手だけど、あれはとっても苦いもの。美味しい野菜が食べられないのとは違うはずよ……多分。 【2月7日(土)】美希の撮影会を覗いたの。街では見ないような服もあって楽しかった。「私は大人しいのしか着ないけど」って話したら、美希が何か言いたそうな顔してたわ。そうね、イースだった頃は、とにかく目立って私を見てほしくて必死だった。今はどこに居てもどんな服を着ても、ちゃんと見てくれる人がいるから。 【2月8日(日)】私たちは、ピックルンの力をシフォン以外に使うことはあまり無いの。ただ一人ブッキーを除いて。そんな彼女も、最近はキルンに頼らなくなったそうよ。話が聞けても、見つけられない病もある。聴くんじゃなくて、診るのが診察なんですって。その答えに辿り着けたのも、キルンのおかげかもしれないわね。 【2月9日(月)】今夜は、お父さんの特製肉ジャガなの。甘くて、アツアツで、ホクホクで、たまねぎがトロリと舌の上で溶けて、とにかくとっても美味しいの。「一品にかけるこだわりと情熱はラブそっくりね」って言ったら、お父さんは嬉しそうだったけど、ラブは嫌そうな顔をしてたわ。でも、肉ジャガはラブも大好きよ。 【2月10日(火)】さっき大きな荷物を抱えたお婆さんを見かけたから、家まで運ぶのを手伝ってあげたの。「やさしい子だね」って言われたけど、そうかしら。どう振舞っていいかわからないから、周りの真似をしているだけかもしれない。だったら、本当にやさしいのはこの街の人よ。 【2月11日(水)】今日は建国記念日よ。「建国をしのび、国を愛する心を養う」ための休日なんですって。建国をしのぶとかよくわからないけど、この国のことは大切に思ってるわ。ラビリンスにもそんな日があったのかしら。ううん――キュアエンジェルで解放したあの日こそ、ラビリンスの建国記念日ね。 【2月12日(木)】お手伝いは楽しいけれど、お買い物は正直言うと苦手。クローバータウン商店街を歩いていると、お店の人から色々なものを勧められるの。どれも魅力的なんだけど、メモに無いものは勝手に買えないし、断るのも申し訳なくて……。 【2月13日(金)】今夜も美味しかった、ごちそうさま。もうお腹いっぱいよ。ラブと一緒だとつい食べ過ぎちゃって。ラブは食べるのが大好きだけど、食欲だけが理由じゃないの。作った人の気持ちとか、家族やお友達の食べっぷりとか、色々なものを喜びに変えているのね。そして私も、そんなラブの笑顔を見るのが嬉しいの。 【2月14日(土)】今日は聖バレンタインデーね! お父さんはもちろんだけど、カオルちゃんにもあげるつもりよ。ウエスターとサウラーにも一応用意してあるの。間に合ってるだろうけど。そういえば、バレンタインデーは愛が生まれる素敵な日なのに、不幸のエネルギーが集まりやすい日でもあったわ。男の人も大変なのね。 【2月15日(日)】ブッキーがリンクルンを無くしたって大騒ぎ。隠したのは動物病院の子犬だったの。てっきり叱るものだと思ったんだけど、ブッキーはその子を抱きしめて謝ったわ。「最近、構ってあげられなくてごめんね」って。キルンもまだリンクルンの中なのに、寂しいって気持ちがわかったのね。少し感動しちゃった。 【2月16日(月)】来週は授業参観があるのよ。中学にもなると参加する保護者もまばらなんだけど、今回はお父さんが来てくれるんですって。なんだか緊張するわ。お父さんと聞いて、一瞬だけメビウス……様を思い浮かべちゃったの。イースだった頃、そんな目で見ていたのかもしれないわね。今となってはわからないけれど。 【2月17日(火)】蕎麦屋のお兄さんは、いつも配達に忙しそうなの。「蕎麦屋は側屋ってな、足使ってナンボよ」ですって。お昼時に食べるものだから、みんなお店に行く時間が取れないのね。でも風味が落ちやすいから、本当はお店で食べるのが一番らしいの。今度みんなで行かせてもらうわ。 【2月18日(水)】お母さんは昔、ミス四つ葉町に選ばれたことがあるんですって。写真を見せてもらったけど、本当に綺麗だったわ。中学の時の写真もあったんだけど、同じ歳のお母さんを見るのって不思議な気持ちね。もしもこの時代に生まれていたら、ラブたちのように親しい友達になれたのかしら。 【2月19日(木)】今日は『雨水』よ。『立春』の次で、「空から降るものが雨に変わり、雪が溶け始める頃」なんですって。本格的な春の到来ってことね。学校から帰宅したらお雛様を飾るの。日本神話で、雨は命の源なんですって。だから雨水にひな人形を飾ると、良縁に恵まれると伝えられているの。まだピンとこないけど。 【2月20日(金)】ラブの口ぐせは、「みんなで幸せゲットだよ」よ。英語苦手なのに時々外来語が混じるのは、ラブの名付け親でもある源吉お祖父さまの影響なんですって。四つ葉町商店街からクローバータウンストリートへ。移り行く時代を惜しみながらも、前向きに受け入れようとしていた。とても器の大きな方だったのね。 【2月21日(土)】ウエスターとサウラーは、まだバレンタインのチョコが食べ終わらないそうよ。若い女性の人気ならサウラーだけど、チョコの数ならウエスターの方が断然多いわ。ご老人や、小さな子にも人気があるからね。誰にでも優しいからだけど、驚くことにメビウスのしもべだった時に親切にされた人もいるらしいの。 【2月22日(日)】美希のお家は美容院。ブッキーのお家は動物病院。クローバータウンストリートはお店の集まりなの。うちだって昔は畳屋さんだったそうよ、今はサラリーマンだけど。それにお祖父さんの魂はちゃんとお父さんが継いでいる。カツラを見る時の真剣な目は、レミおばさまや正おじさまと同じく輝いているから。 【2月23日(月)】美希の口ぐせは、「アタシ完璧」よ。そうあるために日々努力しているの。でも、本当に完璧なのはレミおばさまなんですって。いつも自然体で、無理せずに楽しく生きていて、それでいて歌も、ダンスも、美容師としての腕も一流。華麗で、優雅で、余裕があって。アイドルをやめた今でも美希の目標なのね。 【2月24日(火)】お母さんの名前は“あゆみ”。意味は、ゆっくりと前へ進むこと。人格を形作る経験のこと。そして相手との距離のこと。それら全てが私を救ってくれたの。迷っていた私を、傷つけない距離で接してくれた。目の前の私を見て、素性を問わずに信じてくれた。一つ一つやり直せばいいと、言ってくれた人なの。 【2月25日(水)】ラブと一緒に、いつもより帰りの遅いお父さんを出迎える。きっと仕事を抜けて、授業参観に来てくれたから。観て貰えて嬉しい気持ちと、不安な気持ち。ちゃんと期待に応えられたかしら? 気になって聞いてみた。「せっちゃんが生き生きしてて安心したよ」って。それじゃお父さんが見たかったのは……。 【2月26日(木)】ブッキーのお父さんは名医なの。来るもの拒まずって感じで何でも診てくれるのよ。この前なんて観賞魚の診察をしてて驚いちゃった。そんな正先生でも、昆虫の病気だけはわからないみたい。持ち込んだ、小さな男の子のお話を丁寧に聞いて、「力になれなくて、ごめんね」と話している姿が印象的だったわ。 【2月27日(金)】今日はタルトの紹介をするわ。ラブのペットでしゃべる珍しいフェレットなの。芸もするし赤ちゃんの世話もできるのよ。好物はドーナツで趣味は高い所に登ること。なんて冗談。実はパラレルワールドから来たスウィーツ王国の妖精で、しかも王子様なの。なぜか本当のことの方が嘘っぽく聞こえるわね……。 【2月28日(土)】ラブに新しい友達を紹介してもらったの。小さな女の子で、名前は千香ちゃん。ところで趣味があるのは良いことだけど……イースの写真を私に自慢げに見せるのはやめてね。どうしてあの子がプリキュアに憧れたのか、私にはわかる気がする。体が弱かったからよ。人は、自分に無いモノに憧れるものだから。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/973.html
一六◆6/pMjwqUTkgの140文字SS【1】 1.イース&ラブ 「馬鹿な子。」/一六◆6/pMjwqUTkg 馬鹿な子。騙されたとも知らないで。 馬鹿な子。友達と言っただけで単純に大喜びして。 馬鹿な子。こんな仮の姿に、あんな眩しいような笑顔を向けてきて。 全ての物の中で価値があるのは、メビウス様に選ばれた物だけ。 それなのに、あの子の笑顔が何度でも見たいと思ってしまうなんて、 本当に馬鹿な――。 2.せつな&ラブ 驚きの真実/一六◆6/pMjwqUTkg 「せつな、お願い!」 「しょうがないわね」 根負けした私の返事に、パッと輝く笑顔。これに弱い。 その後食べるニンジンは、いつもより甘く美味しくて。 もしラブがピーマン苦手だったら、私今より少しはピーマン好きになってたかも。 食事の味は時と場合により変わる。それもこの町で知った、驚きの真実。 3.せつな&あゆみ 「精一杯頑張るわ!」/一六◆6/pMjwqUTkg 「せつなちゃん、最近あゆみさんに似てきたねぇ」 そう言われて、夕方のスーパーが幸せ色に染まった。 どこがですか?って訊きたいのに、嬉し過ぎて言葉が出ない。 「そうやってニンジンを籠に入れてラブちゃんをたしなめる口調なんか、そっくりよ」 ラブ、覚悟してね。 これからも私、精一杯頑張るわ! 4.せつな&圭太郎 「父さん幸せだなぁ!」/一六◆6/pMjwqUTkg 「お父さんは昔から好き嫌い無かったの?」 「うーん、むしろ今の方があるかもなぁ」 え?と驚くせっちゃんにニヤリと笑いかける。 「好きなものが増えたのさ。このコロッケなんか最高だ。父さん幸せだなぁ!」 嬉しそうに微笑む娘にいつか伝えたい。 一番の幸せは、大切な家族が増えたことだよって。 5.マナ&六花 「いつもスマンねぇ」/一六◆6/pMjwqUTk 生徒会の仕事を肩代わりしてあげる。 スケジュールを管理してあげる。 宿題を教えてあげる。 「いつもスマンねぇ」 ニヘラ~と笑った顔がキラリと輝く。 「六花!明日のカルタ大会、桃まん持って応援に行くから!今度こそ優勝間違いないよ!」 「ありがと」 結局わたしの方が、いつもマナに力を貰ってばかり。 6.美希&せつな+祈里 「美希はそういう子よ」/一六◆6/pMjwqUTk 「美希はそういう子よ」 せつながそう言ったと聞いて、思わず頬が緩みそうになった。 以前は全然わかんなかった彼女の気持ちが、今は少しわかる――そう思ってたけど、 アタシよりせつなの方が完璧だわ。 「幼馴染みによく言うわよね」 「美希ちゃんったら」 慌てて作った呆れ顔に、ブッキーが優しく笑った。 7.祈里&せつな 「吹き荒れよ、幸せの嵐!」/一六◆6/pMjwqUTk 「吹き荒れよ、幸せの嵐!」 パッションの技を初めて見た時、何故だか静けさと清らかさを感じたの。 わたしたちの中で一番激しい技なのにって不思議だった。 でも、俯いて軽く目を閉じ、一心に回転する彼女の姿を見て分かったの。 あの技は、誰よりも幸せを願う、せつなちゃんの祈りと誓いの儀式なんだね。 8.ミユキ&ラブ 「プリキュアだったの!?」/一六◆6/pMjwqUTk 彼女たちがプリキュアだと知った時、だからラブちゃんは私を助けてくれたんだと思った。 でも違った。 「あれがキッカケでピーチはんはプリキュアになったんや。 あんさんを助けた時はただの女の子やで」 ただのダンサーである私が、本気でプリキュアのコーチになろうと思ったのは、 多分この話を聞いた時。 9.ラブ&美希 「心を鬼にして・・・」/一六◆6/pMjwqUTk パジャマパーティーからの帰り際、ラブが駆け寄ってきた。 「美希たん、さっきはありがとう。それとゴメン。手、痛かったよね?」 心を鬼にして友達の頬を張った。 その手の痛みは、彼女の方がよく知ってる。 「なぁに言ってんの!」 ポンと叩いた肩の向こうで、ラブが拳で想いを伝えた少女が微笑んでいた。 10.ラブせつで『夢、だったりして』/一六◆6/pMjwqUTk 「せつな」 「ん?」 「せつな」 「なぁに?」 何度呼んでも足りない。大好きなせつなと一緒に暮らせるのが嬉しくて。 その名前は舌で甘く溶け、少しだけ胸がキュンと痛む。 (夢、だったりして) 「せつなぁ!返事して」 「ずっとしてるじゃない」 だから確かめさせて。 この幸せが、ちゃんと現実だってことを。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/903.html
140文字SS:プリキュア&プリキュア【4】 1.せつなとラブで「今朝のハピネスチャージプリキュア」/夏希◆JIBDaXNP.g ラブ 「今朝のハピネスチャージ面白かったね」 せつな「ええ、神様の走り方は可笑しかったわ」 ラブ 「そうじゃなくて……」 せつな「冗談よ。ラブはハニーとホッシーワに興味深々だったわ」 ラブ 「ハニーはどうしてキャンディあげなかったのかな?」 せつな「それで寝返るのはラブくらいよ」 注)今朝のハピネスチャージ:11/30放送・第42話「幻影帝国の決戦!プリキュアVS三幹部!」 2.ラブせつで『そのセリフ、そっくりそのまま返す』(withハミエレ)/ねぎぼう 「せつな、ラブ、おはよう!」 「あけましておめでとう」 「え?」 「あけましておめでとうニャ」 「今年もよろしくね」 「こちらこそ今年もよろしくニャ」 「そのセリフ、そっくりそのまま返すのね?」 「そうニャ」 「何か違うわ」 「そうそう、これが日本の文化だよ!」 「ラブまで……やはりそうなの?」 3.せつエレで【吐息まじりに / ベランダで】/ねぎぼう ベランダで夜風を求めてたたずむエレンが吐息まじりに吐露する。 「私は自分の弱さゆえにハミイや響達を苦しめることを選んできたの。 そう生きていくしかなかったせつなとは違うわ」 「私は……取り返しのつかない破壊を繰り返してきたわ。 本当はやり直すでは済まない。それでも……やり直すしかないの」 4.キュアミューズ(黒)×キュアエース/ねぎぼう キュアミューズ(黒)とキュアエースがフュージョンしたら? ―― 「もう少しで5分よ」 「ミュースショット!ばきゅ~ん!1、2、3、フィナーレ!」 ”ラーブグーグー” ネガジコチューは浄化された。 キュアミュースはロックを外す。 カチャ、プシュー! 「ぷはぁ~」 マスクの下から汗だくのア久里の笑顔。 5.ラブせつで【 それ、半分ちょうだい 】/ねぎぼう ラブが最後の1個というカボチャのケーキを私にくれた。 じっと見ているから 「それ、半分ちょうだい」 とでも言うのかと思って割ろうとしたら、 「ダメ!そのケーキはね、二人で半分こして一緒に食べたら幸せになれるんだよ。 だから、これは持って帰って……待ってる人とね」 優しい顔で、言われたの。 ※カボチャのケーキはぴかりが丘のアレです。 6.ラブせつで『宛先のない手紙』(with 5GoGo)/ねぎぼう ある日大きな鳥が飛来した。 鳥は少年に姿を変え、宛先のない手紙を少女に渡した。 「ありがとう」 少女はその手紙に笑って、むくれて、涙ぐむ。 返事を書く間、ささやかな茶菓子を出す。 「貴方の国と同じ、この国も今、再建中」 「でも、何も壊れてないぜ?」 「一番大きなものを壊したわ、この手で」 7.ラブせつで【 音楽室でのひととき 】(with スマイル&ドキドキ)/ねぎぼう 補習を終えたラブがふと音楽室からの音色に気付く。 「せつな、ここにいたんだ?」 「エレンと真琴がセッションしようっていってくれたの。だから少しでもね」 そういって、コードを繰り返す。 手にはタコのようなものも見えた。 そんないつものせつながまた愛しく思えた。 夕映えの音楽室でのひととき。 8.[競作2015]亜久里&アコ「大切なひととき」/一六◆6/pMjwqUTk 「この爽やかなクリーム、軽やかな生地。ブラボーですわ!」 大人びた言葉遣いとは裏腹に、幸せそうに緩んだ表情。 でも彼女にだけは「子供ねぇ」と言ったことはない。 いつも背伸びして頑張ってる気持ち、私にもよく分かるもの。 だからケーキの前くらいでは、ね。 「亜久里、美味しい?」 「最高ですわ!」 9.[競作2015]ゆり&ひめ「大切な服」/一六◆6/pMjwqUTk ちょっと怖そうだと思ってた先輩に呼ばれた。 「この服に合う靴を探してるの。手伝ってくれない?」 手作りらしいスカートの裾をつまんで、少し照れた笑顔。 こんな可愛い人だったんだ。 「ゆりさんに頼られるなんて、私もオシャレ番長だねぇ」 「ひめは何だかえりかに似てるから、つい声をかけちゃったの」 10.[競作2015]ひかり&エレン「大切なのは、ハート」/一六◆6/pMjwqUTk 「音吉さんの本で調べたの!」 瞳を輝かせ、次々に言葉を並べる彼女。 「エレンさんって凄いですね」 そう言うと途端に頬が赤く染まった。 「す、凄くないわ。この世界のこと、もっと知りたいだけ」 「はい、私にもよくわかります」 なぜ「ハイキング」が「お鍋」になるのかは、 よくわからなかったけど……。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/838.html
140文字SS:フレッシュプリキュア!【4】 1.ラブせつで『恋、拾いました』/ねぎぼう 風が舞って空から帽子が飛んできました。拾った向こうで微笑んでたあの子。 初めての出逢いはちょっとミステリアス。そして今日はなんて偶然! 初めての半分こ、そして、驚きの『大当たり』! あの子と一緒にいると幸せになる……いえ、なりたいと思っちゃうんです。 帽子と一緒に、恋、拾いました! 2.ラブせつで『最終手段』/ねぎぼう 「こうなったら最終手段よ」 手には伝家の宝刀・氷。 (でも、違う起こし方がいいって言ってたわね) 氷を口に加えるとそのままラブの首筋に……甘い薫りにせつな自身の鼓動が高鳴る。 「っぴゃあっ!」―― 「あーびっくりした。でも冷たい中に何か柔らかいものが……って、せつな、顔真っ赤だよ!?」 *140文字SS:フレッシュプリキュア!【3】-7 の続きのお話。 3.ミユキ&ラブ 「プリキュアだったの!?」/一六◆6/pMjwqUTk 彼女たちがプリキュアだと知った時、だからラブちゃんは私を助けてくれたんだと思った。 でも違った。 「あれがキッカケでピーチはんはプリキュアになったんや。 あんさんを助けた時はただの女の子やで」 ただのダンサーである私が、本気でプリキュアのコーチになろうと思ったのは、 多分この話を聞いた時。 4.ラブせつで『だいたいあいつのせい』/ねぎぼう だいたいあいつのせいだ。 あいつのせいで私はメビウス様に見限られることになったのだ。 メビウス様のお役に立つ、それだけのために生まれて、生きてきたのがこの私だ。 ならば、あいつに……友達などと思い込んでる馬鹿なあいつに……喪う不幸をぶつけてやる。 まあ、そう思う私が馬鹿なのかもな。 5.ラブせつで『男のロマン』/ねぎぼう 桃園ラブ。初めて出逢った時から東せつなを信じた女の子。 ひた向きにせつなの幸せを願い、ありのままの自分を曝す。 使命に傷ついたイースの痛みを共有することすら厭わず、拳の痛みに耐え抜いた。 そしてついにせつなの心に愛が生まれた。 これこそが純情漢女の男のロマンなのだ。 幸せ、ゲットだぜ! 6.【プリティでキュアキュア】/夏希◆JIBDaXNP.g 「ねえナナ、レイカ。もしもプリキュアに選ばれたとしたら、どうする?」 「そうねぇ。興味はあるけど、この歳であのカッコはキツイかな」 「同感。露出には抵抗ないけど、あのコスチュームは……ね」 ミユキは一人浮いた自分の姿を想像してゾッとする。四人目になったら、この二人には絶対に秘密だと。 7.【滑りました】/夏希◆JIBDaXNP.g 「タルト王子ばんざーい」って照れるがな。何々「一番恐ろしかった敵」やて? せやなぁ、やっぱ奴や。 手足が太くて、全身が筋肉の塊でな。頭がでっかくて、顔は皺だらけで、口には牙がビッシリ生えとってな。ワンワンって、恐ろしい唸り声を上げる化け物や。 「……」アカン、皆の目が笑ってへん。 8.【ピルンの想い】/夏希◆JIBDaXNP.g 「それにしても見事やったで。初めてとは思われへん」 タルトがラブの初戦闘を誉める。 「違うの。あの時は、まるで自分が自分でないようで」 「ピーチはんに代わって、何者かの意志が働いてたっちゅうことか」 “もう、あなたたちの好きにはさせない!”それは愛の妖精ピルンの、一度きりの誓いの言葉。 9.【攻守逆転?】/夏希◆JIBDaXNP.g 「せつな、あたしと初めて会った時のこと覚えてる?」 「ごめんなさい。私はイースだったから……」 「謝らないで。だって、『素晴らしい幸せが訪れる』って告げられて嬉しかったもの」 「私は、『別に占いなんて興味ないし、全然信じてないし』って言われて、少しショックだったわ」 「ごめんなさい……」 10.【美希の一言で】/夏希◆JIBDaXNP.g 「なんでワイがプリキュア探しに来なならへんねん。勘弁してほしいわ」 タルトに特別な能力は無く、戦いにも向いてないらしい。 その点、長老は自力で異世界に渡れ、姿を消す能力もあり、不思議な呪文も使えるのにと。 「つまり、役立たずってことね」 次の日からタルトは、芸の道に目覚めたという。